知的財産権分野における重大な信用失墜行為への共同懲罰制度を設立(2018-12)
中国での知的財産権(専利)分野における信用体制の構築を加速させ、信用失墜行為に対する共同懲罰制度を設立・整備するために、2018年12月4日、国家発展改革委員会は国家知的財産権局、最高人民法院、国家市場監督管理総局等の38の機関とともに共同で「知的財産権(専利)分野における重大な信用失墜主体に対する共同懲罰の協力に関する覚書」(以下、「覚書」とする)を発表し、知的財産権(専利)分野における重大な信用失墜主体に対し共同懲罰を展開することを発表した。知的財産権(専利)分野における重大な信用失墜行為には、以下の行為が含まれる。
1. 専利権侵害を繰り返す行為
地方の知的財産権局が調停又は行政決定で専利権侵害行為が存在するものと認定した後に、権利侵害者が同一専利権について再び侵害行為を行った場合、権利侵害者が専利権侵害を繰り返す行為を行ったものとみなされる。
2. 執行に従わない行為
すでに効力が生じた専利権侵害行為・虚偽表示等の詐称行為についての行政処分決定又は行政処罰決定の執行を拒否する行為、及び地方知的財産権局の合法的な調査や証拠捜査等の行為を阻害する行為は、執行に従わない行為とみなされる。
3. 専利代理の重大な違法行為
特許代理機構が国家知的財産権局により定められる「経営異常名簿」に登録された後、登録された日から3年が経過しても依然として関連規定を満たさない場合、専利代理の重大な違法行為が存在するものとみなされる。
4. 特許代理人資格証書の名義貸し行為
特許代理人資格証書の変造、転売、賃貸、貸出行為、又は他の形式によって資格証書、登録証、弁理士印を譲渡する行為のことを指す。
5. 非正常な専利出願行為
国家知的財産権局によって、「専利出願行為の規範化に関する若干規定」(国家知的財産権局令2017年75号)に定められる非正常な専利出願行為であるものと認定された行為のことを指す。
6. 虚偽文書の提供行為
権利者が専利を出願する際又は関連する手続きを行う際に、虚偽の資料又は虚偽の証明書類を提供した場合は、虚偽文書提供行為とみなされる。
「覚書」の共同懲罰対象は、知的財産権(専利)分野における重大な信用失墜行為を実施した主体であり、共同懲罰の措置としては、国家知的財産権局による措置として、監督管理の強化、知的財産権に係る「国家知的財産権示範・優勢企業」等の申請資格の取消、専利出願費用の減免や優先審査等の優遇の享受停止等の5つの措置が、また各部門による措置として、政府資金の支援の制限、高額消費の制限等の33種類の措置が定められている。
「覚書」の発表は、中国政府が知的財産権に対する保護を強化するとともに、ビジネス環境をより良いものとしようとする決意の表れであり、今回の大規模な共同懲罰の規定は、知的財産権業界と学界からの大きな注目を集めている。「覚書」の実施に伴い、知的財産権の保護状況とビジネス環境に大幅な改善がみられることが予想される。
(新華社ウェブサイトより改編)