最高人民法院による商業秘密侵害に関する司法解釈の公表について (2020-9)
2020年9月11日、最高人民法院は「商業秘密侵害の民事事件における法律適用に関する若干の問題の規定」を公表した。該司法解釈は、2020年9月12日より施行となった。
該司法解釈は全29条から成り、商業秘密の司法による保護の全体について規定している。主な内容としては、商業秘密として保護される情報の種類、商業秘密と認められるための要件、機密保持義務、侵害判断基準、侵害責任、民事と刑事の関係、及び関連手続きについて規定されている。
該司法解釈は、最高人民法院が2007年に公表した「不正競争防止法民事事件における法律適用の若干の問題に関する解釈」における商業秘密に関する規定を吸収して、より完全な規定として整理したものである。また、2019年に改正された不正競争防止法において、商業秘密侵害の損害賠償に関する規定が拡充されたことを受けて、侵害行為の停止や、損害賠償額の算定等について、より詳細な規定を設け、商業秘密の司法による保護の強化をはかっている。なお、懲罰的賠償については、最高人民法院において関連の司法解釈を準備中のため、今回の司法解釈では触れられていない。
(中国法院網より改編)